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経営を見直すきっかけとなる就業規則の作成!

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

 

先日、従業員との労働契約等について、就業規則も作成していなくて、また、給与などの待遇面等についても口約束で済ましていた関与先の社長から「吉本のようなこともあるし、このあたりをちゃんとしていきたいのでお手伝いを頼みます。」との依頼がありました。

 

中小零細企業には同じような会社が意外と多いのではないでしょうか。

こういった会社の多くは社長自身が現場に出ており、また専属の事務員さんがいないところが多いです。

税金の申告だけはちゃんとしないといけないという意識が強いのかこういった中小零細企業の多くは税務申告を税理士に依頼をされていますが、一方で社会保険労務士の関与は少なく、結果的に労働関係に関する書類等の整備が不十分なところが多く散見されます。

口約束でも、契約は契約ではありますが、言った言わんといったこともありますので、たとえ相手が従業員でもあってもしっかりと書類等を整備された方がいいです。

 

その際にどういった書類等の作成が必要かと言いますと基本的には「就業規則」と「労働契約書」の2つです。

 

就業規則は会社における労働の基本的なルール(給与や休暇など)を定めたもので、従業員が10人以上の会社については作成及び労働基準監督署への届け出の義務がありますが、本来はどの会社でも整備しておくことが望ましいものです。

一方の労働契約は就業規則(会社の基本的なルール)を踏まえて、個々の従業員ごとに交わす契約書です。

 

ということで吉本問題を発端として従業員との係争の防止の観点から就業規則及び労働契約書を作成する必要性を簡単に説明させていただきましたが、私が今まで就業規則の作成等に関わってきた会社の状況を振り返ると、その作成のきっかけは今回のような吉本問題のようなことなど多種多様で、その中でも特に多いのが助成金の申請の為でした。

きっかけはそれぞれですが、そのきっかけに関わらず共通して思わぬ副作用が発生しています。

就業規則の作成等が「経営者自身が経営を見直すきっかけ」となっているんです。

就業規則には賃金、休暇、服務など労働に関するあるゆることが網羅されており、普段忙しすぎて目の前の現場のことに意識が行きがちな経営者に自分の会社を労働者の視点から見る時間を与えてくれるのが就業規則の作成です。

そういった意味、もしかしたら従業員との係争の防止なんかよりもこちらの方が会社にとっては大きな意味を持つかもしれませんが、あらゆる効果が期待される就業規則等の作成はお勧めです。

今まで忙しすぎて、このあたりの書類の整備等が十分でない方は就業規則等の作成を一度検討してみてはいかがでしょうか。

2019年08月07日 10:03

出張手当を活用しよう!

 

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

 

 

出張の多い顧問先の社長さんから出張手当をとってもいいかどうかという相談がありました。

 

答えを先に申し上げますと可能です。

 

そして、その為には出張に関する規定等の社内のルールを策定することが必要であり、また、その規定等で定めた出張手当の金額が同規模の会社と比較して、多額なものでないといったことにも留意する必要があります。

そうすることで出張手当を支給して、それを経費として処理することが可能となります。

 

中小企業では出張手当の規定等を策定して出張手当を支給しているところって少ないです。
なお、現行の法律では出張手当は非課税(所得税も社会保険料も)となっています。

 

例えば、出張手当1日3000円として、月に10日出張に行った場合に支給される出張手当は30000円です。

1年間で360000円にもなります。

これを社長が出張手当として受け取った場合、会社側は経費としてその3万円を処理しますが、受け取った社長側はと言いますともらいきりです。社長個人に対して税金等はかかりません。

同額を役員報酬として受け取った場合は、所得税(住民税)の対象となり、また、社会保険料(健康保険・厚生年金)の対象になりますが、出張手当として受け取った場合はこれらの対象にならないんです。

 

中小零細企業でも多くの大企業や官公庁が導入している出張手当を活用しよう。

2019年06月18日 05:19

税と社会保険で異なる収入の考え方。~配偶者の扶養の判定~

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

 

103万の壁とか、130万の壁とか、150万の壁とかって聞いたことがある方も多いのではないかと思います。

友人・知人等(顧問先以外の方)からの税金・保険の相談で一番多いのがこういった話です。

みなさんなんとなくは理解されていますが、話を聞いていると微妙に間違っていることが多いです。

この時期は4月の子ども進級・進学等に伴って、パート等を始めようかと検討されている方も多いと思いますので、間違った認識で失敗をしないように、そのあたりの説明をしたいと思います。

 

そもそも103万の壁とか、130万の壁とか、150万の壁とはなにかの説明から入りますと、これらは税および社会保険における配偶者の扶養の基準です。

103万円は所得税における配偶者控除、150万円は配偶者特別控除の適用の基準であり、130万円は健康保険・厚生年金の扶養の適用の基準です。

その金額の範囲内であれば、それぞれの制度が適用されることなります。

 

ここからが今日の本題です。

この103万円や130万円や150万円といった金額の「具体的の計算方法」をちゃんと理解している人は少ないのではないでしょうか。

具体的に申し上げますと税(103万円と150万円)で社会保険(130万円)でその計算方法が異なります。

誤った認識で損をしなようにするためにも、しっかりと理解をしておく必要があります。

 

税はこれまで(過去)の実際の収入額、社会保険はこれから(未来)の収入予定額

 

税の場合は暦年ベースで過去の1年の収入です。

2018年の扶養の判定をする場合は、2018年の1年間の実際の収入額で判定します。

一方の社会保険の場合は、これからの収入の見込み額で判定することになります。

 

具体例1~年末で退職した場合~

妻の2018年年末で退職した妻の年収が200万円であった場合、2018年の税の扶養に妻は入れません。

しかし、退職したことで今後の収入は0(後述する失業保険の受給はないものとして判定)ですので、退職した日の翌日から社会保険の扶養には入れます。

 

通勤手当等は税金の計算上は収入とはならないが、社会保険の計算上の収入となるもの

 

収入として取り扱うものにも税と社会保険には違いがあります。

通勤手当(非課税限度額)、失業手当については、税の方では収入として取り扱いませんが、社会保険の方では収入として取り扱います。

 

具体例2~通勤手当の取扱い~

Aさんと(給与月10万5千円、通勤手当5千円場合)とBさん(給与月11万円、通勤手当0円)がいるとします。

どちらも通勤手当の含めた給与の月額は11万円で年間合計は132万円です。

Aさんの場合は、通勤手当を除いた月額は10万5千円で年間で126万円(130万円以下)です。

Bさんの場合は、通勤手当を除いた月額は11万円で年間で132万円(130万円超)です。

この場合、社会保険の扶養には、AさんもBさんも入れません。

税の計算においては、通勤手当は非課税として収入として扱われませんが、社会保険の場合もそれも含めて判定しますので、AさんもBさんも通勤手当を含む総額の132万円で判定することになり130万円を超えていることから扶養に入れないことになります。

 

具体例3~失業保険を受給する場合~

具体例1の妻が退職後に失業保険を3か月間、毎月12万円づつ受給する場合は、失業保険を受給するこの3か月間は年換算で144万円(月12万円×1年間)の収入がありますので、130万円を基準を超えることから扶養には入れません。

失業保険の受給期間が終わった後、無職で収入がない場合やパートの仕事を見つけたが月の収入が10万8千円(年換算で130万円以下)までの場合などはこの時点から社会保険の扶養に入れることになります。

また、この年の税の扶養については、失業保険は収入に含めずに、失業保険の受給後に見つけたパートの収入の年末までの合計金額で判定することになります。

 

2019年02月06日 09:08

有給の取得義務化への対応について!

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

5年ほど前からワークライフバランスという言葉が流行りだし、そして2年ほど前からは働き方改革という感じなってきています。

そんな中、労働基準法の見直しなどの働き方関連法案が国会で成立し、来年の4月から新たな有給休暇制度(有給の取得義務化)がスタートすることとなりました。

そこで有給休暇制度の概要から法改正への対応策までを簡単に解説したいと思います。

 

【中小企業における有給休暇制度】

有給休暇制度は中小零細企業の従業員にも当然の権利として有給は付与されているわけでありますが、付与する側の会社において、従業員ごとの有給日数の管理はおろか、それを使う仕組み(有給の申し出の方法)がしっかりと整備されてなかったり、あるいは、うちの会社には「有給なんてない」と言い切ってしまう経営者がいたりするなど適切な制度の理解・運用がなされていない状況が散見されます。

法改正以前であれば従業員から有給を使うという申し出がなければ、有給のことを考える必要がなかったのでこのような杜撰な対応あるいは明らかに法に抵触するような考えの経営者がいても問題とならないこともありましたが、今後は今まで通りにはいかなくなります。

今回の法改正は従業員からの有給利用の申し出の有無にかかわらず、会社が有給を使わせなければならなくなったことがポイントです。

今までは「そんな制度はうちには無い」と言っていた社長さんのところも、従業員に有給を使わせなければいけなくなります。

 

【現行の有給休暇制度の概要】

まずは制度改正の解説の前に有給休暇制度の仕組みを簡単に説明します。

1.付与日数

労働者の近畿年数等に応じて次の日数が労働者に付与されます。

(基本)

継続勤務年数 0.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 11日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 14日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 16日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 18日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 20日

 

(週所定労働時間が30時間未満の労働者)

    週所定労働日数が4日または1年間の所定日数が169日から216日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 7日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 8日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 9日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 13日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 15日

 

    週所定労働日数が3日または1年間の所定日数が121日から168日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 5日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 8日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 9日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 11日

 

    週所定労働日数が2日または1年間の所定日数が73日から120日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 3日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 4日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 4日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 5日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 7日

 

    週所定労働日数が1日または1年間の所定日数が48日から72日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 1日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 4.5年以上  付与日数 3日

 

(労働基準法第72条の特例の適用を受ける未成年者(上記に該当する者を除く))

継続勤務年数 0.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 13日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 14日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 16日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 18日

継続勤務年数 5.5年以上  付与日数 20日

 

2、有給の使用時季

労働者が請求する時季に与えることが原則ですが、事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に変更することができます。

 

3、繰り越し

使えきれなかった有給は1年間繰り越すことができます。

 

4、計画的付与

労使協定の締結等により、会社全体あるいはグループごとなどで一斉に付与することができます。

この制度を使えば、例えばGW期間の合間の平日をこの制度を使って会社全体を休み(有給)をしてしまうことなどが可能となります。

 

 

【法改正により有給の使用が義務化並びにその対応策】

(義務化)

今までは継続勤務年数等により有給が各自に付与されていましたが、それを使う使わないは個々の労働者の判断に委ねられていました。

それが平成31年4月1日から5日分は会社が時季を指定して、有給を取得させる義務が生じます。

〇月〇日に有給を使用して休みなさいという風に会社は有給を使用させなければならなくなるわけです。

(具体的な対応策)
会社の業務に支障が無い閑散期に有給のシフト表(誰がいつ休みかの一覧表)を作成し、順番に5日間休んでもらうような方法や上記で示した計画付与制度を使って、会社あるいはグループで一斉に有給を使う日(GWの合間の平日や会社設立日など)を決めてしまう方法などが考えられます。

いすれにせよ計画立てて進めることが必要であり、制度がはじまる来年4月1日までにしっかりとした準備が必要となります。

 

 

 

2018年12月27日 17:17

最低賃金を守らなかったらどうなるの?

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

今年も最低賃金が大きく増額改訂されました。

滋賀県最低賃金は平成30年10月1日から839円となっています。
ここ近年はすごい急激に上がってきているような感じがしますので調べてみると、過去10年間でこのような推移となっていました。

平成30年 839円
平成29年 813円
平成28年 788円
平成27年 764円
平成26年 746円
平成25年 730円
平成24年 716円
平成23年 709円
平成22年 706円
平成21年 693円

この10年の間に693円⇒839円と上げ幅は146円と1.21倍です。
このうち平成25年以降だけで100円以上も上がっており、ここ近年の上げ幅が大きいことがわかります。
消費税の増税や今の雇用環境等を踏まえれば、当分はこのような状況が続くのかなと個人的には思っています。


さて、顧問先にこの時期によく聞かれるのが最低賃金を守らなかったらどうなるの?です。

簡単に言えば罰金です。

最低賃金法等(詳細は下記の厚生労働省のHPを参照ください。)にそのことが明確に規定されていますが、最低賃金は法律に基づいた制度であり、その法律(ルール)に違反した会社には、罰を与えましょうということで罰金の制度が設けられています。
そして当然と言えば当然ですが、その分を遡って従業員に支払う必要が生じます。

その他にも影響が考えられる助成金です。
以前にある顧問先の助成金を申請する際に最低賃金の確認を失念していて窓口でこれでは受理できないと言われたことがありました。
幸いに遡って差額分(最低賃金と実際の賃金の差額)の支払いをし、その差額分を支払ったことを証明する領収書等を添付することで申請書類は受理されましたが、助成金の種類によってはそういった対応をしてくれないものもあるかもしれません。
また、助成金の申請書類を窓口に持って行くのが申請期限日だったりした場合、過去に遡って支給といった是正対応が難しい場合もあると思いますので、そういった経験を踏まえて、私自身はこの最低賃金の確認をしっかりと行うようにしています。

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-10.htm

2018年11月12日 12:24