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有給の取得義務化への対応について!

みなさんこんにちは、滋賀県大津市の税理士・社会保険労務士の山本哲平です。

5年ほど前からワークライフバランスという言葉が流行りだし、そして2年ほど前からは働き方改革という感じなってきています。

そんな中、労働基準法の見直しなどの働き方関連法案が国会で成立し、来年の4月から新たな有給休暇制度(有給の取得義務化)がスタートすることとなりました。

そこで有給休暇制度の概要から法改正への対応策までを簡単に解説したいと思います。

 

【中小企業における有給休暇制度】

有給休暇制度は中小零細企業の従業員にも当然の権利として有給は付与されているわけでありますが、付与する側の会社において、従業員ごとの有給日数の管理はおろか、それを使う仕組み(有給の申し出の方法)がしっかりと整備されてなかったり、あるいは、うちの会社には「有給なんてない」と言い切ってしまう経営者がいたりするなど適切な制度の理解・運用がなされていない状況が散見されます。

法改正以前であれば従業員から有給を使うという申し出がなければ、有給のことを考える必要がなかったのでこのような杜撰な対応あるいは明らかに法に抵触するような考えの経営者がいても問題とならないこともありましたが、今後は今まで通りにはいかなくなります。

今回の法改正は従業員からの有給利用の申し出の有無にかかわらず、会社が有給を使わせなければならなくなったことがポイントです。

今までは「そんな制度はうちには無い」と言っていた社長さんのところも、従業員に有給を使わせなければいけなくなります。

 

【現行の有給休暇制度の概要】

まずは制度改正の解説の前に有給休暇制度の仕組みを簡単に説明します。

1.付与日数

労働者の近畿年数等に応じて次の日数が労働者に付与されます。

(基本)

継続勤務年数 0.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 11日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 14日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 16日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 18日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 20日

 

(週所定労働時間が30時間未満の労働者)

    週所定労働日数が4日または1年間の所定日数が169日から216日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 7日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 8日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 9日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 13日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 15日

 

    週所定労働日数が3日または1年間の所定日数が121日から168日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 5日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 8日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 9日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 10日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 11日

 

    週所定労働日数が2日または1年間の所定日数が73日から120日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 3日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 4日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 4日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 5日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 5.5年  付与日数 6日

継続勤務年数 6年以上  付与日数 7日

 

    週所定労働日数が1日または1年間の所定日数が48日から72日

継続勤務年数 0.5年  付与日数 1日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 2日

継続勤務年数 4.5年以上  付与日数 3日

 

(労働基準法第72条の特例の適用を受ける未成年者(上記に該当する者を除く))

継続勤務年数 0.5年  付与日数 12日

継続勤務年数 1.5年  付与日数 13日

継続勤務年数 2.5年  付与日数 14日

継続勤務年数 3.5年  付与日数 16日

継続勤務年数 4.5年  付与日数 18日

継続勤務年数 5.5年以上  付与日数 20日

 

2、有給の使用時季

労働者が請求する時季に与えることが原則ですが、事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に変更することができます。

 

3、繰り越し

使えきれなかった有給は1年間繰り越すことができます。

 

4、計画的付与

労使協定の締結等により、会社全体あるいはグループごとなどで一斉に付与することができます。

この制度を使えば、例えばGW期間の合間の平日をこの制度を使って会社全体を休み(有給)をしてしまうことなどが可能となります。

 

 

【法改正により有給の使用が義務化並びにその対応策】

(義務化)

今までは継続勤務年数等により有給が各自に付与されていましたが、それを使う使わないは個々の労働者の判断に委ねられていました。

それが平成31年4月1日から5日分は会社が時季を指定して、有給を取得させる義務が生じます。

〇月〇日に有給を使用して休みなさいという風に会社は有給を使用させなければならなくなるわけです。

(具体的な対応策)
会社の業務に支障が無い閑散期に有給のシフト表(誰がいつ休みかの一覧表)を作成し、順番に5日間休んでもらうような方法や上記で示した計画付与制度を使って、会社あるいはグループで一斉に有給を使う日(GWの合間の平日や会社設立日など)を決めてしまう方法などが考えられます。

いすれにせよ計画立てて進めることが必要であり、制度がはじまる来年4月1日までにしっかりとした準備が必要となります。

 

 

 

2018年12月27日 17:17

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